阻血性大腸炎の成因に関する実験的検討
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概要
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阻血性大腸炎の成因の一端を解明する目的で,雑種成犬77頭に実験的阻血腸管を作成し,生じた病変と,水素クリアランス法で測定した腸管壁血流量の変化との関連を検討した.血管結紮群の29頭中22頭に,点状出血から潰瘍形成,穿孔にいたる種々の病変がみられ,これらでは結紮後30〜40分で測定した腸管壁血流量が,前値の50%以下となっていた.一時的血流遮断群の48頭中,血流再開後3日あるいは24時間で剖検した36頭では,阻血の程度,阻血時間に応じて種々の病変がみられたが,腸管壁血流量が遮断前の30%以下に低下した状態が2時間以上続くか,30〜50%に低下した状態が3時間以上続くと,臨床でみられる阻血性大腸炎に類似した病変の生ずる事が知られた.一時的血流遮断後3時間目の病変の特徴は,壁内微小循環障害を示唆する粘膜固有層の微小血栓の多発,毛細血管微細構造の変化等であった.
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