肛門疾患診療の一工夫
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概要
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最近外科学会の動向が再び内臓外科に集って来たように思われる.脳外科,心臓外科の眼覚しい発展もさる事ながら近年大腸肛門病の特に基礎的,病理的,研究が見直されて来たのは,日夜第一線にありて肛門疾患の診療に当る者の一人として非常に喜ばしく感じて居る.毎年一回の大腸肛門病学会も諸先生方の御尽力により幅広い又深みのある演題が多く,学会の出席者も年毎に増加していき,全く活発な進行がなされて居る.勿論出題が大学病院,大病院の外科に傾いているのは止むを得ないと思い,吾々は学会にて得た知識を実地に応用させて貰って居る.大病院にて行われて居る肛門病手術が他の内臓外科手術の中にて一応特別に扱われて居り,大きな組織なりの行き方があると思う.吾々は連日肛門病の診療に当りながら結腸大腸その他の内臓器官の疾病を発見するのが常である.今回肛門病診療に専念して居る一小病院として行って居る診療の具体的な方法,使用器具について私なりのやり方を発表し諸賢の御批判を仰ぎたい.