直腸癌根治手術後膀胱麻痺に対する膀胱内電気刺激の基礎的研究
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概要
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直腸癌術後排尿障害の原因は々問題のあるところであるが,現在では骨盤神経損傷が主因をなしているといわれている.これら術後の低緊張性膀胱にたいしては従来より導尿が行なわれてきたが,著者は導尿という消極的な方法でなく,尿道カテーテル電極により膀胱利尿筋に電気刺激を加え,より生理的な膀胱体操を行ない排尿機能の回復をはかる目的で基礎実験を施行した.<BR>42頭の雄雑種成犬を使用し実験を行った結果,正常犬および骨盤神経切断犬では,その刺激部位は両側尿管膀胱移行部が最も効果的であり,電気的至適条件はパルス幅2msecの単相性矩形波,周波数60〜100cps,電圧10〜20volt,通電時間5〜7秒であった.骨盤神経切断犬においては正常犬よりやや高い電圧が必要と思われた.