メチラポンと加熱ストレス処置による血圧上昇ラット(MHラット)とDopamine
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概要
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メチラポン (Metyrapone) によるラットの血圧上昇機構を検討した.メチラポン0.2mg/rat, s. c. 連日投与を行い非観血的に血圧を測定した.このときストレスを生じる程度に強い熱負荷 (Heat-stress) を連日与えたところ,約20日で全例が高血圧を生じた(MHラット). 1%食塩水を併用すると血圧は更に高くなった.またメチラポンによる血圧上昇はストレッサーの種類と程度の影響を受けた. MHラット(食塩水併用)の血圧上昇曲線はpropranololの低用量 (1mg/kg) の連日投与あるいはcarbidopa処置下l-dopaの微量 (20ng/kg) の連日投与により著しく抑制された.一方sulpiride, haloperidolおよびprazosinによって大きな影響を受けなかった. MHラットの脳と副腎のcatecholaminesを定量したところ, striatumのdopamine (DA) は著しく減少していた.更にreserpine, 6-hydroxydopamineおよびatropineはMHラットの血圧上昇を抑制したが, hexamethoniumは影響を及ぼさなかった.以上のことからメチラポンによる血圧上昇はストレスの影響を受け,その機構にはdopamine作働系の関与の大きいことが示されたほか自律神経系以外の機構の関与していることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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