Sufoxazine(Y-8894)の薬理学的研究 : (第2報)抗アノキシア作用
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概要
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sufoxazineの抗アノキシア作用をマウスを用いた種々の実験モデルで,既存の脳循環代謝改善薬と比較検討した.非致死量のKCN(1.8 mg/kg)静脈内投与による昏睡に対して,sufoxazineは5 mg/kg, i.p. から用量に依存して有意に昏睡時間を短縮させた.又,致死量のKCN(2.5 mg/kg)投与による死亡率を低下させ,30 mg/kgではKCNの致死作用を完全に防止した.低圧(210 mmHg)および常圧(96% N<SUB>2</SUB>, 4% O<SUB>2</SUB>)の低酸素負荷条件のマウスに対しても,sufoxazineは生存時間の延長作用を示した.一方,対照薬として用いたdihydroergotoxinとifenprodilはKCN誘発昏睡モデルで効果が認められたが,低酸素負荷モデルでは生存時間を有意に短縮させた.calcium hopantenateは300 mg/kgの高用量でKCN誘発致死の抑制作用と生存時間の延長作用を示した.これらの成績から,sufoxazineは対照として用いた脳循環代謝改善薬に比べ,優れた抗アノキシア作用を有することが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文