実験的起立性低血圧に対するα<SUB>1</SUB>-アドレナリン受容体刺激薬M6434の作用
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概要
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α<SUB>1</SUB>-アドレナリン受容体刺激薬であるM6434の昇圧作用及び起立性低血圧モデルでの血圧,脳組織血流量に対する作用をウサギ及びイヌを用いて検討した.M6434は,ウサギでは1.0及び3.0mg/kgの用量,イヌでは0.3及び1.0mg/kgの用量を経口投与することにより,顕著な昇圧作用を惹起した.この作用を対照薬として用いたミドドリンと比較したところ,効力はウサギでは約3倍強く,持続時間も長かった.また,昇圧に伴い,心拍数は減少したが,その作用はミドドリンに比べ著しく弱かった.ウサギの起立性低血圧モデルにおいて,起立時に生じる血圧及び脳組織血流量の低下は,M6434 3.0mg/kgを経口投与することにより有意に抑制された.イヌ起立性低血圧モデルにおいても,M6434 10μg/kg以上の静注で血圧,心拍出量,脳組織血流量及び椎骨動脈血流量の低下は有意に抑制された.この作用はウサギではミドドリンの約3倍強く,イヌでは10〜30倍強力であった.これらの結果から,M6434は徐脈作用が軽度な昇圧薬であり,起立性低血圧や脳血流の低下を予防するのに有効な低血圧治療薬としての可能性が示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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