新規抗潰瘍剤レミノプラゾールのラット胃粘膜H<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用の検討
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概要
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レミノプラゾールのラット胃粘膜H<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPaseに対する抑制作用をin vitroおよびex vivoで検討した.レミノプラゾールおよびオメプラゾールはH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase活性を濃度依存的に抑制し,pH7.4の緩衝液中での検討で,IC<SUB>50</SUB>値はそれぞれ31μMおよび24μMであった.ex vivoでの検討では,レミノプラゾールの10〜100mg/kgの経口投与3および6時間後において,用量依存的なH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用が認められた.また,レミノプラゾールの60mg/kgを経口投与して経時的にH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPaseに対する阻害作用を検討したところ,持続的なH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用が見られ,その抑制効果は投与後少なくとも48時間は持続した.オメプラゾールの30mg/kgの経口投与でも持続的なH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用が見られたが,その回復はレミノプラゾール投与時よりも早いものであった.幽門結紮法を用いて,レミノプラゾールの胃酸分泌抑制作用とH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用を同時に検討した結果においては,両者の抑制率に良好な相関性が認められた.これらの結果より,レミノプラゾールはオメプラゾールと同様に胃粘膜H<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPaseを阻害することによりラットでの胃酸分泌を抑制することが示唆された.また,幽門結紮後の胃内投与においても,レミノプラゾール(100mg/kg)は胃酸分泌抑制作用とH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用を示し,胃内腔側からの直接的な作用を発揮し得る可能性が示唆された.さらに,レミノプラゾール(100mg/kg)は長期反復経口投与しても単回経口投与時と同程度のH<SUP>+</SUP>,K<SUP>+</SUP>-ATPase阻害作用を示した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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内田 あおい
日本ケミファ株式会社研究所
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松倉 均
日本ケミファ株式会社研究所
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増田 誠
日本ケミファ 研
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神代 敏郎
日本ケミファ(株)研究所
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内田 あおい
日本ケミファ(株)研究所
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松倉 均
日本ケミファ(株)研究所
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