Acetyl glyceryl ether phosphorylcholineによるラット足浮腫形成作用に対する各種メディエーター阻害剤の影響
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概要
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acetyl glyceryl ether phosphorylcholine(AGEPC)によるラット足浮腫形成作用の特徴について調べた.その浮腫の形成はAGEPC注入後45分の時点に最大を示し,最大浮腫反応を惹起する濃度は1 μg/siteで,さらに高濃度では逆に浮腫は抑制された.cyproheptadine(cH)の全身投与(10 mg/kg, s.c.)はserotonin浮腫を顕著に抑制したが,AGEPC浮腫は抑制されなかった.しかしながらCHの局所適用をすることによって,用量依存的にAGEPC浮腫の部分的な抑制作用が認められた.またpyrilamineとmethysergideの局所併用によっても本浮腫は一部分抑制された.indomethacin(IM)の全身投与(10 mg/kg, s.c.)はcarrageenin浮腫を強く抑制したが,AGEPC浮腫は抑制されなかった.ところがIMの局所適用によっては部分的な抑制作用が認められた.lipoxygenase阻害剤であるcaffeic acid並びにesculetinに,またSRS-A拮抗剤であるFPL55712にも局所適用によって,軽度ながらAGEPC浮腫を抑制する作用が認められた,さらにIMとlipoxygenase阻害剤の局所併用を行うことによって,本浮腫は相乗的に抑制された.またdexamethasone(DM)は,全身投与と局所適用のいずれも3時間前処置によってAGEPC浮腫を強く抑制したが,phospholipase A<SUB>2</SUB>(PLA<SUB>2</SUB>)阻害作用を有するmepacrine,p-bromophenacyl bromide,chlorpromazineそしてtetracaineにはDMと同様の効果は認められなかった.以上の結果から,AGEPCによるラット足浮腫形成作用には一部分histamineとserotoninの両作用の関与が,またcyclooxygenase代謝物とlipoxygenase代謝物の相乗作用が関与している可能性が示唆されたが,DMはPLA<SUB>2</SUB>阻害作用以外の機序によって本浮腫を抑制している可能性がある.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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田島 雅道
城西歯科大学 薬理
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丸山 七朗
城西歯科大学 薬理
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田島 雅道
城西歯大
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佐藤 精一
城西歯大
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佐藤 精一
城西歯科大学薬理学教室
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田島 雅道
城西歯科大学薬理学教室
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丸山 七朗
城西歯科大学薬理学教室
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