Troxipideの急性胃粘膜病変に対する効果
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概要
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実験的急性胃炎モデルとして使用されているラットのaspirin,水浸ストレス,0.6N HClおよびethanol胃粘膜病変に対するtroxipideの抑制効果を検討した.対照薬物としてcetraxateを使用した.1)troxipideは200,300mg/kg経口投与でaspirinおよび0.6N HCl胃粘膜病変を用量に依存して有意に抑制した.2)troxipideは100,200,300mg/kg経口投与で水浸ストレス胃粘膜病変を用量に依存して有意に抑制した.3)troxipideは100,200,300mg/kg経口投与でethanol胃粘膜病変を用量に依存して有意に抑制した.また,troxipideはethanol胃粘膜病変に対し100mg/kg経口投与10,30および60分後でそれぞれ同程度の顕著な予防効果を示し,この効果は240分後まで持続した.300mg/kg経口投与においても同様の傾向が認められた.4)cetraxateは100,300,1,000mg/kg経口投与でethanol胃粘膜病変を用量に依存して有意に抑制した.しかし,水浸ストレス胃粘膜病変に対しては600mg/kg以上の経口投与で,aspirinおよび0.6N HCl胃粘膜病変に対しては1,000mg/kg経口投与でのみそれぞれ有意な抑制が認められた.以上,troxipideはethanol胃粘膜病変に対してcetraxateとほぼ同程度の抑制効果を示したが,aspirin,0.6N HClおよび水浸ストレス胃粘膜病変に対してはcetraxateに比ぺより強い効果が認められた.従って,troxipideはヒトの急性胃炎に対する治療薬として有用性が期待できると考えられる.
著者
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