Neurotropinの免疫薬理学的作用(第5報) : ―ストレス負荷による免疫機能の低下に対する作用―
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概要
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マウスに1日当り夜間16時間の拘束ストレスを連続2日間にわたって負荷し,ストレスによる免疫機能の変動に対するNeurotropinの作用を検討した.この拘束ストレス負荷マウスでは,T細胞依存性抗原である羊赤血球(SRBC)に対する抗体産生能および遅延型足蹠反応が著しく抑制され,また,マクロファージの貧食活性もストレス負荷終了直後に著明に低下した.このようなストレス状態下のマウスにNeurotropinを投与したところ,抗体産生能,遅延型足蹠反応の低下が有意に回復されることが明らかになり,また,マクロファージの貧食活性の低下に対してもその回復を早める作用が認められた.一方,ストレス非負荷マウスに同様にNeurotropinを投与した場合,抗体産生能,遅延型足蹠反応およびマクロファージの貧食活性はほとんど影響を受けなかった.これらの結果から,Neurotropinは拘束ストレス負荷により低下した免疫機能を回復させることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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吉井 春夫
日本臓器製薬(株)生物活性科学研究所
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末廣 誠之
日本臓器製薬(株)生物活性科学研究所
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末廣 誠之
日本臓器製薬(株)生物活性化学研究所
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吉井 春夫
日本臓器製薬生物活性科学研究所
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末広 誠之
日本臓器製薬
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松岡 隆夫
日本臓器製薬(株)生物活性科学研究所
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