マウス探索行動の解析とMethamphetamine 及び Diazepam の効果
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概要
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マウス探索行動の確率論的解析を試み,あわせ methamphetamine と diazepam 投与による行動変容を解析し,その薬理作用を追求した.行動観測装置としては3次元構造をもつ,いわゆる open-field 装置を用いた.記録上の便宜から,場をほぼ同じ大きさの空間に区分し,探索行動を positional behavior の観点からマルコフ過程を適用し解析した.着目した指標は,移動量,移動様式,移動径路等である.移動量は全区分空間への総来訪回数を用いた.移動様式のパラメータには,各区分空間への来訪頻度の偏りを表わす尺度として,その定常分布によるエントロピーを,また移動偏筒を表わす尺度として,その推移確率から算出されるエントロピーを用いた.さらに,統計的に有意であると推定される特定の通り道を区分空間の連鎖として求め,その最長のものを通路の長さと称し,移動径路のパラメータとした.methamphetamine を投与すると,移動量は低用量で増加が認められ,各区分空間への来訪頻度の偏りと移動偏筒はともに用量依存的に大きくなり,しかも通路の長さは用量依存的に延長した。diazepam 投与では,低用量で移動量の増加が認められたが,各区分空間への来訪頻度の偏りは小さくなり,逆に移動偏筒は用量依存的に大きくなった.また通路の長さは用量に依存して長くなった.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
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中村 敬太
日本化薬(株)医薬事業本部総合研究所薬理研究室
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小沢 義人
日本化薬(株)薬品研究所薬理研究室
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中村 敬太
日本化薬(株)薬品研究所薬理研究室
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中村 敬太
日本化薬(株)医薬事業本部総合研究所生物研究所薬理研究室
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