Prednisolone 17-valerate 21-acetate のマウス免疫応答に及ぼす影響
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概要
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prednisolone 17-valerate 21-acetate(PVA)のマウスにおける各種免疫応答に及ぼす影響をhydrocordsone 17-butyrate(HB)およびbetamethasone 17-valerate(BV)と比較,検討した.これらの薬物の皮下投与によりマウスの脾臓重量,脾臓有核細胞数およびPFC応答は抑制され,PVAの抑制作用はHBと同程度であり,BVより弱かった.これらの薬物のヒツジ赤血球に対する血中抗体価の抑制作用は,IgG抗体に比べて,IgM抗体でより明瞭に認められた,PVAのIgM抗体抑制作用は,HBよりやや低用量でみられたが,BVより弱く,またIgG抗体の抑制はHBと同程度であった.遅延型皮膚反応は,これらの薬物のいずれによっても感作過程に比して誘発過程に薬物を投与した場合に,より低用量で抑制が認められた.また脾臓細胞の各種mitogen反応性に及ぼす3種類の薬物の影響にも差が認められた.すなわち,HBおよびBVは,phytohemagglutinin-P反応性に対して促進的に作用したが,PVAは促進作用も抑制作用も示さなかった.concanavalin A反応性に対する抑制作用は,BVが最も強く,PVAとHBは同程度であったが,lipopolysaccharide反応性の抑制はBVが強く,次いでPVA,HBの順であった.大腸菌に対する感染抵抗性の減弱作用は,PVAが最も弱く,腹腔マクロファージ数の減少も少なかった.以上,マウスの免疫応答に対するPVAの作用は,B細胞,T細胞およびマクロファージの3者に作用する複雑なものであり,細部においてはHBやBVと相違がみられたが,総括的にはcorticosteroidに共通した作用を有し,各種免疫応答に及ぼす影響は,BVよりも弱くHBとほぼ同程度であった.さらに,これらの成績にもとついて,各薬物の免疫担当細胞機能に対する作用について考察した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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