2-(2-Fluoro-4-biphenylyl) propionic acid (Flurbiprofen)の血管透過抑制機序について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
抗炎症剤2-(2-fluoro-4-biphenylyl)propionic acid(flurbiprofen,FP-70)の血管透過抑制機序についてモルモット皮膚におけるbradykininによる血管透過性亢進に及ぼすPGの増強反応の系を用いて検討した.PGE<SUB>1</SUB>およびPGE<SUB>2</SUB>(1μg/site)はそれ自体では血管透過亢進作用を示さないが,これを種々の濃度のbradykininに添加すると血管透過の強い加強作用を示す.PGF<SUB>2α</SUB>にはこの作用はない.またarachidonic acid(100μg/site)単独あるいはこれをbradykininに混合し,皮内注射しても血管透過の増強はみられないが,arachidonic acidをあらかじめ投与した局所にbradykininを投与すると(30分後)血管透過の強い増強がみられた.FP-70にはPGE<SUB>1</SUB>の増強作用を抑制する作用は全くみられないが,arachidonic acidの加強効果を完全に抑制した.このことからFP-70の血管透過性抑制作用はPG合成酵素を阻害することにより発揮されるものと思われる.FP-70と同様の抑制効果はindomethacin(IM)およびacetylsahcylic acid(AS)にもみられるが,FP-70の効果は強くIMの12.5倍,ASの166.7倍に相当した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
著者
-
山本 俊輔
大分医科大学第二病理
-
山本 俊輔
大分医科大学 医学部 免疫アレルギー統御 講座
-
山本 俊輔
大分医大病理
-
樋口 安典
大分医大
-
樋口 安典
大分医科大学病理学教室
-
山本 俊輔
大分医科大学病理学教室
関連論文
- 繰り返す意識障害と進行性痴呆を呈したspongiform leukoencephalopathyの1剖検例
- オステオポンチン (細胞接着分子--その生体機能の全貌) -- (第3部 細胞外基質としての接着分子)
- ラットCD14cDNAの分離およびマクロファージ系細胞における発現解析
- 感染症におけるCD14の機能 (特集 感染症の免疫学--自然免疫の新しい展開)
- 抗マウスCD14(mCD14)モノクローナル抗体(mAb)rmC5-3およびmCD14N末端領域リコンビナント蛋白抗体の機能解析
- ADAM8(MS2)トランスジェニックマウスの樹立と解析
- CD156(ADAM8)の構造,機能およびファミリー (リンパ球表面分子と免疫調節)
- 自然免疫鳥瞰--1次防御,および獲得免疫の支持と利用 (特集 感染症の免疫学--自然免疫の新しい展開)
- マクロファ-ジ活性化調節の分子機構
- 334.食細胞機能を有するhybridomaの樹立とその特性(マクロファージ)
- 白血球の走化性と阻害因子 (Chemotaxis)
- 2-(2-Fluoro-4-biphenylyl)propionic acid(Flurbiprofen)の血管透過抑制機序について
- 2-(2-Fluoro-4-biphenylyl) propionic acid (Flurbiprofen)の血管透過抑制機序について
- 211 ウサギオステオポンチンの卵巣, 乳腺, 胎盤における発現とリコンビナント蛋白を用いた機能解析