Cytosine arabinoside(ara-C)により誘発された小脳低形成ラットの行動発達について
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概要
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制ガン剤であるcytosine arabinosideをラットの2から4日令に12.5および25mg/kgを皮下投与して,生後発達,特に行動発達に及ぼす影響について検索した.3および9週令における病理組織学的所見では,小脳において3層の区別の不明瞭化,プルキンエ細胞の配列異常が前葉に顕著に認められ,生化学的所見でも小脳における総DNA,総RNA量の低下が観察された.体重および生存率は用量依存的に抑制され,生後分化では高用量群で音響驚愕反応が遅延し,歩行,自由落下正向反射は薬物処置群では3週令まで認められなかった.行動機能試験ではopen field testで自発運動の低下,rotarod testで神経・筋能力低下,およびpole climbing testで運動能力低下に原因すると考えられる条件および無条件反応獲得の抑制が認められた.これらは小脳障害に特徴的な行動変化と考えられた.
- 社団法人 日本薬理学会の論文