加工ブシ末の薬理学的研究 ―鎮痛作用と急性毒性―
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概要
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生薬附子を減毒し,製剤化した医薬品加工ブシ末(S-01)の鎮痛作用を ibuprofen,indomethacin および aspirin と比較検討し,またS-01 の急性毒性試験を試みた.S-01 の経口投与により,用量依存的に酢酸および phenylquinone による writhing が抑制された.indomethacin は酢酸 writhing 抑制作用の ED50 値よりも phenylquinone writhing 抑制作用の ED50 値の方が低い値を示し,ibuprofen および aspirin も同様の傾向が観察された.S-01 は酢酸 writhing および phenylquinone writhing に対して同程度の抑制作用を示した.tail pressure 法では,S-01 は ibuprofen と同程度の強さの鎮痛作用を示した.Randall-Selitto 法では,炎症足において S-01 の疼痛閾値上昇作用が認められたが, ibuprofen より弱かった.非炎症足では,ibuprofen の疼痛閾値上昇作用は認められなかったが,S-01 では用量依存的な作用が観察された.Adjuvant 関節炎疼痛では,S-01 は用量依存的な鎮痛作用を示し,その作用は ibuprofen より弱かった.S-01 の急性毒性試験では,10g/kg(p.o.)の投与量で雌雄のマウスおよびラットともに死亡例は観察されなかった.以上より,S-01 は鎮痛作用を有し,その作用機序はibuprofen,indomethacin および aspirinと は異なるものであることが示唆された.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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