視床下部視交叉上核神経細胞活動と日内リズムについて 視床下部外側野および腹内側核細胞活動ならびに松果体活動調節系における視交叉上核の役割
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概要
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雄性白鼠を用いurethaneあるいはchloralose-urethane麻酔下に視床下部外側野および腹内側核(LHA,VMN)より単位放電を記録した.放電頻度には5〜10秒,3〜5分の小リズムと24時間にわたる日内リズムが認められ,LHAニューロンは昼間の方が夜間に比し一般に放電頻度ならびにリズム変動度共に大であった.同時に記録された35組のニューロン中5組のニューロン(14%)はたびたび相反性変動を示し,10組(29%)は時として相反性変動を示した.この相反性変化はLHAニューロン活動が上昇ないし下降の変化時により多く観察された.外的刺激(Spl N,Cortex,SEPT刺激)に対する反応性は刺激時の自発放電頻度により影響された.SEPT,SCN高頻度刺激はLHAニューロン放電を抑制するが,0.2〜1cps,0.2〜0.4msec,2〜4Vの弱刺激は放電頻度に影響なくそのリズム変動のみを特異的に変化させた.視神経刺激は検索されたSCNl29ニューロン中50ニューロン(40%)を促進し,33ニューロン(25%)を抑制した.一方SCN刺激は頸部交感神経放電を抑制した.iontophoreticalに投与したAChは検索されたSCN158ニューロン中126ニューロン(80%)を促進したが,NAは149ニューロン中96ニューRン(64%),DAは98ニューロン中59ニューロン(60%),5HTは126ニューロン中93ニューロン(75%)をそれぞれ抑制した.また視神経刺激効果と薬物感受性の関係よりみると,視神経刺激により促進されたニューロンはDAおよび5HTによりそれぞれ9ニューロン中6ニューロン,8ニューロン中6ニューロンが抑制を受けたが,視神経刺激により抑制されたニューロンに対するDAおよび5HTの抑制は僅少であった.以上視床下部内LHAおよびVMNニューPン活動調節ならびに視神経からの松果体活動調節系におけるSCNの機能的意義およびその性質に検討を加えた.