降雨侵食と隆起による実験地形の発達
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概要
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細砂とカオリナイトの混合物からなる低い正四角柱状の砂山に人工降雨を降らせて微小な侵食地形を発達させた.侵食は,初期に頻発した外縁急崖の崩壊を除けば,谷の下刻と谷系の発達で始まり,中間斜面,尾根部へと進んだ.これに伴って,平均高度は時間経過とともに指数関数的に低下した.同じ初期条件の下で侵食が進んでから隆起を起こした場合,谷部で遷急点の遡上を伴う侵食が復活し,起伏と侵食量が増加した.起伏は隆起継続中に一定となる傾向を見せ,起伏が一定の隆起速度に応じた大きさで安定しうることを示唆した.侵食の再活発化は扇状地への供給砂量を増加させ,隆起とともに砂山周りの扇状地面すなわち局地的な侵食基準面も上昇した.砂山の平均高度が上昇を続けても,起伏が一定の値で安定する傾向を見せたのはこのためである.このようなアナログモデル実験は,現実の地形では観察不可能な地形発達過程の全体像を把握するのに役立つと考えられる.
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