実験的ストレス潰瘍に対するReserpineの影響
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概要
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reserpine投与ラットのストレス潰瘍発生につき検討した. 1) reserpine (1mg/kg/day, i. p.) 5回反復投与は,ストレス潰瘍の形成を有意に抑制した. 2) reserpine反復投与によるストレス潰瘍抑制の要因を検討するため,ストレス負荷時の胃液分泌,胃運動および胃粘膜血管透過性を検討した. reserpine反復投与は,ストレス負荷時の胃液分泌抑制に有意の影響を示さず,胃緊張と運動の亢進をやや増強した.他方, PSB胃漏出量減少を軽減した.すなわち, reserpineの潰瘍抑制作用の少くとも一部は,ストレス時の胃粘膜血流減少の阻止によるものであろう. 3) ストレス潰瘍の形成は, reserpine投与30m後にストレスを負荷すると増強の傾向がみられ, reserpine 25, 5mg/kg (i. p.) 投与8または12h後にストレスを負荷すると抑制された. reserpine投与後初期のストレス潰瘍増大には,生体アミンの遊離促進が関与すると考えられる. 4) α-methyl dopa (400mg/kg, i. p.) は,ストレス潰蕩を抑制し, p-CPA (300mg/kg, i. p.) は潰瘍形成増強の傾向を示した.また, α-methyl dopaとp-CPAの併用は,潰瘍形成を抑制した.これより, reserpineのストレス潰瘍抑制には, 5-HTよりもCAの減少がより大きく関与するのであろう。
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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