DipyridamoleによるAdenosineおよびNorepinephrineの腎血管収縮反応の増強について
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概要
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犬腎灌流実験により灌流圧の変化を指標とし,dipyridamoleがadenosineばかりでなくnorepinephrineの作用を増強することを確めた.この両薬物に対する増強作用はdipyridamoleの注入濃度に依存し,低濃度持続注入(0.05〜0.3μg/ml)で増強作用が観察され,高濃度持続注入では(0.4〜1.0μg/ml)増強作用は現はれなかった.増強の割合はadenosine(1,3,10μg)では50〜70%,norepinephrine(0.3,0.6,1.0μ9)では約50%であった.またtyramineおよび腎神経刺戟による作用も増強された.<BR> 薬理学的に異なる作用機序を有する両薬物を同時に,同程度に増強することなどから,dipyridamoleは両薬物が共通に作用する部位,すなわち収縮機序の一部分に作用するものと思はれる.
- 社団法人 日本薬理学会の論文