耳下腺唾液Amylase分泌に対するNicotine作用について
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概要
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1) 耳介側頭神経電気刺激によるウサギ耳下腺唾液分泌を“single drop method”によって解析した結果, Nicotine (100〜1000μg/kg i. v.)はその唾液分泌率の促進とともにAmylase活性,蛋白量を増加させた.このNicotineによる反応は,頸部交感神経節前線維切断および節後線維切断標本において差異が認められなかった.2) Nicotine (300μg/kg)によるAmylase活性,蛋白量の増加はPhenoxybenzamine (8mg/kg, 30m前投与), Bretylium (10mg/kg, 45m前投与), chronic Denervationによっては抑制されず, C6 (2mg/kg, 3m前投与), Propranolol (0.3mg/kg, 4m前投与), Adrenalectomyによって抑制された.3) Nicotine (300μg/kg)による唾液分泌率の促進はPropranolol (0.3mg/kg, 4m前投与), chronic Denervation, Adre-nalectomyによって抑制されず, C6 (2mg/kg, 3m前投与), Phenoxybenzamine (8mg/kg, 30m前投与), Bretylium (10mg/kg, 45m前投与)によって抑制された.以上の結果より, NicotineによるAmylase分泌増加はNicotineの頸部交感神経節,神経終末部での作用が主役を演ずるものではなく,主として副腎のCatecholamine遊離を介する作用であると結論した.一方, Nicotineによる唾液分泌率の初期促進はAmylase分泌増加とは異なる機作によることを示唆し,その機序について考察した.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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