<I>l</I>-メントールを中心とした皮膚刺激薬の抗侵害受容作用とその機序
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概要
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皮膚刺激薬(counterirritants)の外用鎮痛作用を各種疼痛モデルを使用して検討した.マウスでのホルマリン疼痛モデルにおいて,ホルマリン注射後5分以内に認められる一過性の疼痛反応(early phase:E相)に対して,<I>l</I>-メントールおよびペパーミント油はその外用適用により明らかな鎮痛作用を示した.サリチル酸メチルや<I>dl</I>-カンファーにおいても軽度ながら鎮痛作用が認められた.これとは対照的にインドメタシンの経口投与はホルマリン注射後20分前後をピークとする持続性のある疼痛反応(late phase:L相)に対してのみ鎮痛作用を示した.麻薬性鎮痛薬であるモルヒネは両相に対して明らかな鎮痛作用を示した.E相での<I>l</I>-メントールの鎮痛作用はナロキソンおよびデキサメタゾン処置により顕著に拮抗され,ベスタチンにより増強された.また,<I>l</I>-メントールはマウスの熱板法やラットの後肢加圧法においても鎮痛作用を示した.一方,<I>l</I>-メントールはラットのカラゲニン足浮腫に対しては軽度の抑制作用を示したが,in vitroでのプロスタグランジンE<SUB>2</SUB>生合成阻害作用は示さなかった.また,<I>l</I>-メントールはモルモットにおいて軽度の表面および浸潤麻酔作用を示した.これらの知見により,皮膚刺激薬である<I>l</I>-メントールの外用鎮痛作用は直接的な抗炎症作用によるものではなく,その作用機序として内因性オピオイド系の活性化とともに局所麻酔作用を含む局所効果が一部関与する可能性が示唆された.
著者
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斉田 勝
久光製薬(株)研究所
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野田 寛治
久光製薬(株)研究所
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野田 寛治
久光製薬(株)開発本部鳥栖研究所
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斉田 勝
久光製薬(株)開発本部鳥栖研究所
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谷口 恭章
久光製薬(株)開発本部鳥栖研究所
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出口 芳樹
久光製薬(株)開発本部鳥栖研究所
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