コラーゲン•ゲル内包埋培養における牛乳腺細胞の増殖に及ぼす品種効果
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概要
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妊娠中期(約135日)のホルスタイン種未経産若雌牛3頭およびアンガス種未経産若雌牛3頭から得た乳腺細胞塊をコラーゲン•ゲル内に包埋して培養を行った.4種類の培養処置を用いた:(A) 基礎培地はMedium 199に抗生物質,酢酸ナトリウム,glutathione, trypsin inhibitorおよびBSAを添加したもの(BM); (B) BM+10%牛胎子血清;(C) BM+insulin, estradiol-17β, progesterone, hydrocortisoneおよびprolactin (BMH); (D) BMH+上皮成長因子.培養2,4,8日に3H-thymidineを各培地に添加し24時間後にゲルを回収して乳腺細胞核への取込み量(cpm×103/μg DNA)を測定した.培養処置に対してホルスタイン種(24.3±2.8;平均±標準誤差)はアンガス種(11.0±1.2)に比べ有意に高い取込みを示し,品種×処置間の差も有意であった(P<0.05).ゲルの一部はオートラジオグラフィ標本を作成し,3H-thymidineによる標識率を求めた.血清添加培地および乳腺発育ホルモン添加培地で乳腺上皮細胞核への取込みは増加し,ホルスタイン種は高い標識率を示した.アンガス種とホルスタイン種妊娠若雌牛の乳腺細胞の増殖反応の差は明らかであり,このコラーゲン•ゲル内包埋培養法はまだ解決されていない生理的メカニズムに起因する乳腺発育とその後の乳生産量の遺伝的差異を解明するために有益であると考えられる.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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古村 圭子
Department of Dairy Science, Lactation Physiology Laboratory Virginia
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AKERS R.
帯広畜産大学畜産学部
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BEAL W.
帯広畜産大学畜産学部
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AKERS R.
Department of Animal Science, Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine
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Akers R.Michael
Department of Animal Science, Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine
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Beal W.E.
Department of Animal Science, Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine