野生ホンシュウジカ(Cervus nippon centralis)筋肉における一般成分,無機物含量と色調
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概要
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野生ホンシュウジカ(Cervus nippon centralis)肉の特性を知るため,胸最長筋,半膜様筋と大腿二頭筋の一般成分,無機物および色調を分析し,性と季節の影響を検討した.灰分を除く一般成分においては部位,性,季節間による有意な差はみられなかった.粗脂肪は1%以下と低く,Fe含量は3つの測定部位の平均値が3.8mg/100gと高かった.Na,PとK含量は筋肉部位間に差がみられ,Na含量には性差もみられた.分光スペクトルでは胸最長筋の色調はほとんどの可視波長域で反射率が30%以内であった.ブルーミングは30分以内で完了し,ミオグロビンのメト化は24時間後に観察された.以上の結果から,野生ホンシュゥジカ肉の特性は,他の家畜肉に比較して低脂肪でFeに富み,無機物の一部に差が見られたもののその差は小さいと考察され,さらに,色調は濃く,かっ褐色化しやすいが,ブルーミング時間は他の食肉とほぼ同じであることが明らかとなった.
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