高炭素クロム軸受鋼の酸化物系介在物の定量
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概要
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高炭素クロム軸受鋼の酸化物系介在物の正確な分析方法を確立するため,主としてSUJ-2の圧延鋼材を供試料として温硫酸法,ヨウ素メタノール法などによる検討を行なった。予備実験の結果,学振温硫酸法によれば分析値が低値になる傾向があり,ヨウ素メタノール法では,あらかじめ炭化物溶体化のための熱処理をした試料でも抽出した残留物中には一部残存する炭化物の影響と思われるFeやCrが残存するほか,Siの量およびAlN型のAl量を補正した後のAlの量なども酸化物として考えるには多過ぎ,結局そのままでは正しい酸化物分析値を得ることができないことなどがわかった。このため温硫酸溶液を用い,しかも分析値が低値とならないような方法について検討を行なった。その結果,削り試料の採用とその場合の炭化物の溶体化処理法の確立,未溶解残留物の濾過式捕集法,さらには別に調製した試料を用いることによってSiO2とAl2O3をFeO,MnO,Cr2O3などと別に定量する方法を用いることにより正確な分析値が得られるようになった。
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