金属の内部摩擦 (1)

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概要

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金属の性質を大きく左右する因子として,格子欠陥(広い意味で結晶粒界も含む)と不純物(溶質原子およびその化合物)がある。内部摩擦はこの一方あるいは両者の相互作用についての情報を提供してくれる可能性がある。鉄鋼材料においても内部摩擦を利用して固溶炭素,窒素などの挙動や熱処理,加工による格子欠陥の発生,消滅や格子欠陥と溶質原子,析出物との間の相互作用に関する新らしい知識が得られるようになった。ここでは金属の内部摩擦について,その現れ方,現在用いられている測定方法,発生機構のちがいによる内部摩擦の種類等について簡単に述べ,その中で体心立方金属中の侵入型溶質原子(例えば鉄中の炭素)の移動によって生ずる内部摩擦(Snoekピーク)に関し,その発生機構の説明と若干の応用例を示す。次に不純物を含む結晶中を移動する転位の運動によって生ずる応力(振巾)依存内部摩擦について,その測定例,実験事実を説明しうる理論,理論の妥当性等に関して実験結果と比較しながら述べる。
大同特殊鋼株式会社の論文

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