家鶏卵巣の血管分布に関する研究 : II. 成熟(胞状)卵胞に分布する血管について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
産卵鶏の卵巣には大小多数の卵胞が見られ,とくに成熟卵胞では排卵の数日前より急速に卵黄を蓄積しはじめ,卵胞の直径を増大させる.このように短期日に多量の卵黄を蓄積できるのは,卵胞に関与する血管によるものと考えられる.NALBANDOV and JAMES5)は鶏の成熟卵膜には5層の血管層が分布していると報告している.著者は前報で,卵胞が血管系を獲得する過程について報告し,そのなかの一部に成熟卵胞に分布する血管について述べた6).またBRADLEY and GRAHAME1),千島2),久富3),KAUPP4),STURKIE8),らは卵胞膜に分布する血管について記載している.従来の報告では卵胞膜に分布する血管層の種類と分布位置をほぼ明らかにした程度である.よって本実験は成熟卵胞膜の全域に分布する血管を解明するために,色素注入を行ない,伸展標本,横断切片を作製して各層における分布状態および各層とのつながり,そして動静脈の分布領域について観察した.さらに血管の分布•分岐状態を模型図に表わした.
- 社団法人 日本畜産学会の論文