乳腺中の燐酸化合物の研究 : I. 酸溶性分画の放射性含燐ペプチッド存在性に対する反証
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概要
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乳腺酸溶性分画に32Pを特異的にとりこむ含燐ペプチッドが存在するとSAMPATH KUMAR等が提唱した.これを電気泳動法により追試したところ,放射能の山と,ニンヒドリン反応陽性のバンドが完全にはは一致してないように思われた.そこでペーパークロマトグラフィーを行なつた結果ニンヒドリン陽性の物質が数種類混在していることがわかつた.しかし異同ははつきりしなかつた.Dowex-2によるカラムクロマトグラフィーの結果,ニンヒドリン反応陽性のものと,放射能を持つものとが別の分画に分離出来た.その結果32Pを特異的にとりこむものは含燐ペプチッドではないと思われる.またこの放射能の高い物質の吸光度を測定すると,260mμに極大吸収を持ち,オルシン反応を示すので,ヌクレオチッドであろうと推定される.