乳酸菌の凍結保存法に関する研究 : IV 乳酸桿菌の凍結保存におよぼす各種添加物の効果
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概要
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凍結保存した乳酸桿菌を融解培養したとき,初期の生酸を促進する添加物の検討を行なつた.試験菌はL. bulgaricus, L. acidophilusの二種類であつた.菌懸濁用培地は10%還元脱脂乳を基本として,glucose, Corn Steep Liquor (C. S. L),酵母エキスおよびL-glutamic acidをそれぞれ1%添加した5種類を用いた.L-glutamic acidは凍結保存中の菌の生存率を高める効果を示さなかつたが,融解後の酸生成を僅かに促進した.また凍結保存中にこれらの添加物が共存しない場合でも,融解後の接種用培地に添加されて.いれば,L-glutamic acidは酸生成を促進した.酵母エキス,C. S. L. glucoseの生酸促進効果はL-glutamic acidより低かった.融解培養後の鏡検で,L. bulgaricusの場合,10%還元脱脂乳,glucose 1%添加10%還元脱脂乳を菌懸濁用培地とした直接培養法では,細胞が長く,衰弱した形態を示したが,その他の場合は両菌株とも正常に近い形態であつた.L. acidophilusはL. budgaricusより凍結に対して抵抗性が強かつた.