機械搾乳における真空度制御が搾乳効率,乳質におよぼす影響
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概要
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乳牛において,最高効率の最適搾乳を行なうため,真空度制御方式をとりあげた.この方式が,必要で十分な条件を備えているかどうかを,従来の真空度固定方式を標準対照として実験した.その結果つぎの知見を得た.(ただし,乳脂率の基準量は3.2%,乳汁中の細胞数の最大許容量は50万/ccとする.)1. 三相搏動の真空制御方式:ポジティブ(正)制御方式は,ネガティブ(負)制御方式より,搾乳速度がはやく,脂肪率が高いが,後搾率と細胞数は適正でない.一般に,二相搏動の真空制御方式より,搾乳速度がおそい.2. 二相摶動のネガティブ制御方式(以下二相搏動式と呼ぶ):ポジティブ制御および真空固定方式より,搾乳速度がはやく,脂肪率は悪くないが,後搾率と細胞数は必ずしもよくないし,また必ずしも適正ではない.3. 規格式のポジティブ制御方式:これは,乳牛の個体差を無視した方式である.搾乳効率および速度は大きく,細胞数•後搾率•脂肪率は必ずしも悪くない.4. 乳牛グループ別のポジティブ制御方式:乳牛グループを,搾乳速度曲線の型別に分類して制御する方式である.搾乳の効率および速度と後搾率は,規格より高いが,脂肪率と細胞数は必ずしもまさつていない.5. 乳牛個体別のポジティブ制御方式:乳牛個体ごとに固有の制御方式を与えるものである.他の真空固定•制御方式に比べると搾乳速度は最もはやく,後搾率と細胞数は比較的低いが脂肪率は必ずしも低くない.
- 社団法人 日本畜産学会の論文