鶏の初回射精日令および日令経過にともなう : 精子の授精能力と精液性状の変化
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概要
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雄鶏の早熟系を選抜する予備実験として,ニユーハンプシヤーおよび白色レグホンを用い,生後85日令からほぼ1週間ごとに精液を採取して,初回射精日令を調べるとともに,精液の性状および精子の授精能力を観察した.1. ニユーハンプシヤーでは全体の11.4%,白色レグホンでは38.4%の個体に,孵化後95日令で最初の射精がみられた.しかし,初回射精日令には,前者で95〜197日,後者で95〜127日の変動があつた.2. ニユーハンプシヤーでは127日令,白色レグホンでは116日令より早く初回射精がみられた個体では,一般に,そのときの精液の性状が悪く,精子の授精能力も劣つていた.3. 初回射精日令が極端に早い群からとつた精液の量および精子の数は,初回射精時だけでなく,その後性的成熟日令までも引き続いて不良であつた.従つて初回射精日令が早いものだけを無条件に選抜することは,危険がともなうであろう.4. ニユーハンプシヤーで大体145日令,白色レグホンで127日令ごろに初回射精がみられた群では,精液の性状および授精成績ともに良好であつた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文