牧草蛋白質の栄養価 : VIII. 凍結処理がオーチャードグラスの窒素分布ならびに蛋白質の消化性に及ぼす影響
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概要
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凍結処理が,牧草の蛋白質の形態およびその消化性に及ぼす影響を調べた.1. 採取後ただちに-25〜-30°Cに保存した凍結試料においては,全窒素含量の変化はなく,蛋白態窒素全量の減少はわずかであった.2. 凍結処理の結果,水溶性蛋白態窒素および不溶性窒素は増加した.熱アルカリ性エタノール溶性蛋白態窒素は,いちじるしく増加する例と,変わらぬ例とがあった.3. 水溶性および熱アルカリ性エタノール溶性の非蛋白態窒素は,凍結によって増加し,NaOH溶性のそれは減少した.4. A法(窒素分別前消化)によるペプシン消化の消化率は,各種溶性蛋白質とも,凍結により低下した.一方,B法(分別後消化)による消化率は,不溶性蛋白質においてかなり低下したほかは,むしろ向上するのを認めた.5. 以上のように,草を凍結すると,蛋白質の形態およびその消化性に顕著な変化が起こることが認められた.これは,乾燥時の変化とは,様相を異にするものであった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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