水田転換茶園における暗きょ排水効果
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概要
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緩傾斜階段式水田転換茶園の水の動態と,暗きょによる排水効果を知るため,本暗きょ(深さ1m,幅40cm)本暗きょと補助暗きょ(深さ80cm,幅40cm)併設の2区を設けて試験したみその結果を要約すると次のとおりである。<BR>1 暗きょ施設前の茶園では,停滞水位が40〜60cm内外と高く,土壌水分張力(pF)は地表面から40,60cmでpF0〜1.3,90cmでは7月から9,月下旬までpF0以下の日が多く極めて過湿状態であった。なお畑の部位別では,上畦側が特に過湿で茶樹の生育が劣っていた。<BR>しかし暗きょ施設処理後の停滞水位は地表面から65〜80cmに低下し,多量降雨後の減水も早まった。<BR>2 排水処理により多量降雨後の土壌水分張力(pF)の回復は従来より2〜3日早まり,暗きょに近いほど効果が高かったが,土壌水分張力,停滞水位からみて本供試ほ場の場合暗きょの有効範囲は5m以内と思われるが,周囲水田からの浸透水,流入水を防ぎ水位を低めれば,その有効範囲は広められると思う。<BR>3 水田に隣接する茶園では1水田からの浸透水が多<BR>く,このようなところでは周囲からの浸透を防止する対策が必要である。<BR>4 茶樹の生育は,従来まで劣った上畦側の生育が地上部,地下部とも回復し,園全体の生育が極めてよくなった。<BR>本試験を実施するにあたり,農林水産省茶業試験場,農林水産省農業土木試験場佐賀支場,佐賀県農業試験場土壌保全研究室の協力と指導をいただいた。ここに深く感謝の意を表する。
著者
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