コウノシロハダニの生態
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概要
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1. 1970年4月末に新たな茶樹害虫としてコウノシロハダニ(Eotetranychus sexmaculatus RILEY)が鹿児島県川辺郡知覧町に発生した。<BR>2. 本種の発生と侵入経路の関係は明らかにできなかったが,茶園にも従来から潜在的に発生していたものと推察される。<BR>3.コウノシロハダニの脱皮回数は雌雄ともに3回で,発育所要日数は1番茶期で卵期間6.6日,幼虫期間雌3.9日,雄4.0日,若虫期間雌6.0日,雄5.3日,卵から成虫までの所要日数は雌16.2日,雄15.0日で雄が雌より約1日短く,これをカンザワハダニと比較すると雌雄それぞれ2.5日短かった。<BR>4.越冬形態は各態がみられ,年間発生消長はカンザワハダニの場合とほぼ同一傾向を示した。越冬成虫は2月中旬から産卵を開始し,発生は4月中〜下旬にピークとなり,5月上旬から減少し夏季の発生は認められず,11月下旬に僅かに発生した。また,被害は一番茶期のみ発生し,4月下旬の摘採期には一番茶芽の下位葉が落葉した。その症状は外観的にはカンザワハダニのものと同一であった。