一番茶芽の生育に対する1年生苗の母茎と根の貯蔵炭水化物の役割
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概要
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一番茶芽の生育に対する母茎と根の貯蔵炭水化物の役割を調べる目的で,新芽を除去した後の母茎と根のTAC含量の変動を追跡した。<BR>やぶきた1年生苗を用いて,新芽萌芽前および一心三葉期に側芽も含めてすべての新芽を除去すると,母茎のTAC含量(%およびmg)の減少が抑制された。根のTAC含量は新芽を除去しても減少したが,その程度は対照区より少なかった。<BR>一心三葉期に未萌芽の側芽を残して頂芽のみを除去した場合も母茎のTAC含量の減少は抑制され,側芽の萌芽が始まると再びTAC含量は減少した。根のTAC含量は頂芽の有無にかかわらず減少を続けた。側芽萌芽後の母茎と根のTAC減少量は対照区より大きかった。<BR>以上の結果より,母茎のTACは新芽生育と密接に関係していて,新芽生育に伴って消費されるが,根のTACは根自体で消費されていることが示唆された。<BR>本報文の作製に当たり,貴重な助言を頂いた茶樹第1研究室室長中山仰博士に感謝いたします。
- 日本茶業技術協会の論文