乳牛の泌乳リズム
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概要
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乳牛の毎日の泌乳量に周期的な変動がみられるか否か,ならびにその増減程度(δ2値)と泌乳能力の関係の有無について検討した.供試材料には酪農学園中央農場第2牛舎のホルスタイン種雌牛108頭の完全泌乳記録(305日,2回搾乳)を用い,分析は時系列解析法によった.1.毎日の泌乳量はいずれの個体もかなりの増減変動をくりかえしながら,およそ1〜2ヵ月でピークに達し,その後ゆるやかなカーブで下降する泌乳曲線を描いた.2. 時系列変動(乳量)の定常化のために求めた傾向線は,5項加重移動平均法によるのが最も適切であった.3. 供試牛108頭の泌乳量の変動はいずれも循環変動であった.コレログラムの検討により,108頭のすべてに周期的な変動が認められ,有意な系列相関係数γkは1日間隔で負,2日間隔で正の値を示し,2日を基本とする短い周期変動が認められた.4. 泌乳量のδ2値と総乳量の相関係数は-0.260と,有意な負の相関が認められた.一方δ2値と分娩時期および産次との関連は認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文