鶏および豚組織中のフラゾリドンの微量分析法ならびに残留試験
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概要
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鶏および豚組織中のフラゾリドンの微量分析法を確立するために,まず螢光測定条件,薄層板上に展開されたフラゾリドンスポットのピリジン処理条件,フラゾリドン量と螢光強度の直線関係などを調べた.ついで,組織からのフラゾリドンの抽出,分離および精製を検討した.その結果,鶏または豚の組織に蒸留水,塩化ナトリウム, IN塩酸および回収試験の場合のみ所定量のフラゾリドンを加えてホモジナイズし,溶媒抽出精製操作,カラムクロマトグラフィーによる精製操作および薄層クロマトグラフィーを行い,ピリジン蒸気と接触させて得られるスポットの螢光強度を測定する方法によるフラゾリドンの微量分析法が確立された.この分析法により,フラゾリドンを投与した鶏の筋肉,肝臓および脂肪つき皮膚,豚の筋肉,肝臓,脂肪および腎臓における残留量を調べた.その結果,フラゾリドン投与終了後1日休薬すれば,上記のいずれの組織からもフラゾリドンの残留は認められなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文