バターの保存にっいて
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概要
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主として遊離酪酸量及酸度より防腐剤の効果を見たのであるがその際脂肪分解臭と遊離酪酸量では其の量が2〜3mg%になると認められ5mg%以上になると顕著になつた。酸度では0.2〜0.3%で分解臭が認められた。クライス反応も過酸化物反応も分解臭の初期ではいづれも陰性であつた。使用した防腐剤ではN. D. G. A.及びクマリン系が良く之等を直接バター脂肪に加へた場合,1/5000でも効果が有るが包装紙の場合少くとも1/2000以内でなければ効果がないと思はれる。バター製造操作中ではウオーキングの時が良いのは勿論であるがクリームの時に添加した場合のバター脂肪の抗酸化性について更に実験を続けたいと思ふ。抗酸化剤が必ずしも微生物に効くとは考へられないがバターには総じて3アセチル4ハイドロクマリンが良好でN. D. G, A,等との併用が考へられ其の適当な濃度決定は衞生上の問題もあり今後の研究に待ちたい。終にあたり防腐剤の御惠贈に与つた,東大住木教授並石井教官に感謝の意を表す。
- 社団法人 日本畜産学会の論文