鷄の就巣性に関する研究 : II 頭部電気刺戟の就巣性に及ぽす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
50 cycle, 30 voltの交流を就巣鷄の頭部に通電して之を刺戟し,その就巣性に及ぼす影響をしらべた。刺戟/の時間を次の3種類に分けて行つた。即ち,A刺戟は3秒通電,7秒間隔,3秒通電で,1時間後に再び之を繰返す(之の方法を{3"〜(7")〜3"}×2で書き表す。以下同様)。B刺戟は,5"〜(15")〜5",C刺戟は8"〜(30")〜8"であつた。結果を要約すれば次の通りである。(1) 頭部電気刺戟は就巣を中絶せしめる方向に作用し,1〜3回の刺戟によつて殆ど大部分が就巣を中絶した。(2) 刺戟の種類による中絶効果の差は認められないが,刺戟の鷄体に及ぼす影響はC刺戟が最も強くして危険であり,A及びB刺戟は危険性はなかつた。(3) 中絶に要した刺戟の回数は同一個体でも必ずしも同一でなく,又品種別的にはプリマスロツク,ロードアイランドレツド並びに白色レグホーンに比べて名古屋種の方がやゝ多かつた。(4) 刺戟前の就巣日数と中絶に要した刺戟の回数との間に一定の関係を見出す事は出来なかつた。(5) 就巣中絶効果の季節的な差は認められなかつた。(6) 刺戟による就巣中絶後の休産日数と刺戟回数又は全就巣日数との間に一定の関係ははなかつた。之の研究は主として文部省の科学研究費によつたものであり,その実施については浜川秀正,六谷俊造,檜垣哲夫の三氏に負う所が多く,記して感謝の意を表す。
- 社団法人 日本畜産学会の論文