乾乳牛の熱発生量,各種生理反応に及ぼす環境温度ならびに乾草摂取量の影響
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概要
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乳牛の熱発生量,体温などに及ぼす環境温度並びに乾草摂取量の影響を検討する目的で,第一胃フィステルを装着したホルスタイン種乾乳牛4頭を用い,4×4ラテン方格法に従って実験を実施した.実験処理は,環境温度2水準(H:32°C, L:18°C,いずれも,相対湿度60%),乾草給与量2水準(S:TDN維持要求量,R:Sの70%量)を組み合わせた4処理水準(HS, HR, LS, LR)とした.その結果,次のような知見をえた.1) 体温は,HS処理においてのみ,他の3処理より有意に高かった.2) 脈拍数は,乾草摂取量によって強く影響を受け,S水準で高い値を示した.3) 脈拍数と熱発生量との間の相関係数は,各個体ごとに求めた場合に有意であった.4) 呼吸反応は環境温度の影響を強く受け,H処理において呼吸数は増加し,1回呼気量は減少した.5) 熱発生量は,H処理においてL処理より約10%程度高い値を示し,また,S水準の値はR水準のそれより有意に高い結果をえた.6) 熱発生量において,処理間に有意差(P<0.05)が認められたのは,HS>HR•LR, LS>LRであった.7) ホルスタイン種乳牛の臨界高温度は29〜32°Cの間にあるものと推測された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文