妊娠豚に対する蛋白質給与水準が繁殖成績におよぼす影響
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概要
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ブタの妊娠期の蛋白質要求量を検討するため,ランドレース種22頭を体重120kg到達後第1回目の発情で交配させ,試験飼料を与えた.また試験は長期間給与による影響を検討するため2産目まで継続した.妊娠期の粗蛋白質給与量は1,2産とも1日1頭当たり400g区(I区),325g区(II区),250g区(III区)の3区に分けて給与し,一方各区のエネルギー水準をほぼ同一にした.飼料はは1,2産ともに日量2.5kgを与え,母豚の体重の推移ならびに子豚への影響を調べた.また授乳期の飼料は自由摂取させた.その結果,母豚の妊娠期の体重増は1,2産ともに妊娠期の蛋白質摂取量の多い区ほど大きい傾向がみられたが,有意差は認められなかった.分娩直後の母豚の体重減は妊娠期の蛋白質水準の影響を受けず,また授乳期の母豚の体重減も区間に有意差は認められなかった.1産目から2産目の分娩間隔日数はIII区が173日,II区が177日,I区が180日の順となったが有意差は認められなかった.産子数,分娩時の1腹子豚総体重,同1頭平均体重には1,2産とも妊娠期の母豚の蛋なんらみられなかった.15日齢の子豚数,1腹総体重,1頭平均体重にも区間に有意差は認められなか白質水準の影響はった.離乳時の子豚数,1腹総体重,および1頭平均体重はI区がII,III区よりややまさったが有意差は認められなかった.以上を総括すると分娩時,15日齢時および離乳時のそれぞれの子豚数,1腹子豚総体重,同1頭平均体重には差はみられず,また分娩間隔も区間に差がみられなかったことから,III区の粗蛋白質量を250gにしても繁殖成績に支障はないものと考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文