ディスク電気泳動法による鶏プロラクチン活性の測定法
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概要
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家禽下垂体前葉プロラクチンのディスク電気泳動による測定法の確立を目的とし,泳動後のプロラクチンバンドの濃度と生物活性測定値との関係を検討した.1) ブロイラーの下垂体前葉ホモジネートを用い,ポリアクリルアミドを支持体とするディスク電気泳動を行い,泳動後の未染色のゲルを染色ゲルを参照しその移動度により,5分画に切断し,抽出,凍結乾燥によりえられた試料を,ハト〓のう反応により,プロラクチン活性を有するバンドの同定を行った.2) 標準プロラクチンについてディスク電気泳動と性物活性検定法の併用により,バンドの濃度と性物活性との関係を検討した.3) 1)によりえられたプロラクチン活性を有する分画を試料とし,バンドの濃度と生物活性との関係について検討を行った.その結果,(1) プロラクチン活性は,最も速く移動する第4分画中のバンドに認められた.(2) 標準プロラクチンでは,10μg-100μgの間で用量とバンドの濃度との間に直線関係がえられ,またバンドの濃度と生物活性との間に高い相関関係が認められた.(3)鶏プロラクチン活性を有する分画においては,バンドの濃度と用量との間に直線関係が認められ,バンドの濃度と性物活性との間にも高い相関関係が認められた.以上のことから,鶏下垂体前葉プロラクチン活性(含量)は,ポリアクリルアミドディスク電気泳動によっても定量的測定が可能と考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文