マウスの繁殖に及ぼす同種間卵子免疫の影響
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概要
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同種類の卵子を抗原にして免疫した動物の受精率,妊娠率および産子数など繁殖機能に及ぼす影響を検討する目的で,ddY系のマウスに1匹当り750∼1500個の裸化マウス卵子をアジュバントとともに,または単独で5回,あるいは2550〜3150個の卵子を含んだ浮遊液を21回にわたって免疫注射し,免疫動物の妊娠率,産子数および受精率を調べた.アジュバント併用の有無にかかわらず卵子浮遊液注射による免疫区の妊娠率および産子数は,対照のPBS注射区に比べ低下する傾向がみられたが,有意差はみられなかった.受精率はアジュバントを併用しない場合のみ,対照区に比べやや低い傾向がみられたが,受精卵を全く生産しなかった1例を除くと実質的には差異がみられなかった.卵子免疫マウスの血清中における卵子に対する抗体の有無は,透明帯沈降反応およびプロナーゼに対する溶解所要時間により検討したが,アジュバント併用の有無にかかわらず,いずれの区においても卵子に対する抗体を検出することはできなかった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文