被覆肥料を利用した玉露・てん茶園の窒素施肥量削減
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概要
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収量,品質を維持しつつ,年間窒素施肥量を削減できる茶園施肥体系を確立するために,慣行の肥料を用いた施肥と被覆肥料を利用して窒素施肥量を38〜58%削減した施肥との比較を行った。<BR>その結果,窒素を削減したいずれの試験区も,対照区と比べて土壌中の無機態窒素含量が低下したものの,細根の発達が旺盛となり,窒素の吸収効率が向上したことから,下層へ移行する硝酸態窒素量を低減することができ,さらに窒素施肥量を38%削減しても収量増加と品質向上が可能であり,58%削減しても,収量維持と品質向上が可能と考えられる。特に,温度依存性が小さい被覆肥料を春肥として利用すると,春期の比較的早い時期から窒素成分を供給できるため,一番茶品質の向上が期待できる。