透析による豚精液の保存方法に関する研究 : 各種の透析液が精子生存性に及ぼす影響
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概要
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豚精液を無希釈のままで各種の溶液に透析して保存する方法を検討した.精液は5mlずつセルローズチューブに入れ,20mlの透析液に浸漬して透析しながら15°Cで7日間保存し,精子活力とアクロソーム形態に及ぼす影響を調べた.透析液を,KRB, 5.05% glucose, 9.75% lactose及び豚血清を組み合わせて調製した.なお,精液と透析液にはストレプトマイシンとペニシリンを添加した.透析法による保存は豚精子の生存性にとってきわめて有効であり,透析液としては,glucoseと血清(GB13,GB11)あるいはKRB(KG31)の組み合わせが効果的であった.KG31と血清を組み合わせることにより,血清含量を12.5%にまで下げても75%添加のGB13と同等の保存効果が得られた.希釈精液においても,沈殿する精子の層を薄くすることにより精子生存性が向上したことから,透析保存法の有効性の機序として精子の代謝産物の拡散と代謝基質の供給の円滑化などが考えられた.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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