チャ主要品種やぶきたにおける一番茶新芽の生育と積算気温との関係
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概要
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本研究では,気象要因のなかでも比較的調査が容易な日平均気温(最高気温と最低気温の中央値)から求めた積算気温による生育予測方法を検討するため,作況調査の生育調査データに基づき,チャ主要品種やぶきたにおける一番茶新芽の生育と積算気温との関係を調査した。<BR>1) 一番茶萌芽期までの積算気温は,3月10日を起算日とした場合に,年次間差が226.5〜275.5℃と最も小さくなり,その温度は256.5℃であることがわかった。また,一番茶萌芽期から一番茶摘採日までの積算気温は,360.3〜479.0℃でみられ,分布がやや広かった。<BR>2) 新芽長,開葉数及び出開き度と一番茶萌芽期からの積算気温との関係では,開葉数が最も積算気温との関係が強いことが明らかとなった。そして,一番茶萌芽期からの積算気温(X)を説明変数,開葉数(Y)を目的変数とした単回帰式Y=0.011X-0.8522が得られた。新芽の形質等が異なる5つの茶園において,この単回帰式による葉数予測を行ったところ,中切り更新などの深く整枝を行った茶園,及び出開き度が90%を超えた場合を除いて,予測値と実測値はほぼ一致することがわかった。
- 日本茶業技術協会の論文