京都府南部地域の茶園に生息するチャノキイロアザミウマの薬剤感受性
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概要
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1998年から2000年の3年間にわたり,京都府南部地域の茶園17ほ場に生息するチャノキイロアザミウマ雌成虫の,20薬剤に対する感受性を検定した。<BR>1.クロロニコチニル系のアセタミプリド,イミダクロプリド,ニテンピラム,有機リン系のDMTP,アセフェート,ピロール系のクロルフェナピルとマクロライド系のエマメクチン安息香酸塩は,供試した90%以上の個体群に高い効果を示した。また,カーバメート系のメソミル,合成ピレスロイド系のビフェントリン,有機リン系のプロチオホスは,70〜90%の供試個体群に高い効果を示した。<BR>2.ネライストキシン系のカルタップ,合成ピレスロイド系のアクリナトリン,エトフェンプロックス,ハルフェンプロックス,フェンプロパトリン,フルバリネートとペルメトリンは,40〜65%の供試個体群に高い効果を示した。また,ジアフェンチウロンとピリダベンに対して高い感受性を示したのは,供試個体群の約20%だった。<BR>3.薬剤の登録年と補正死亡率との相関係数は0.09であり,一定の関係は認められなかった。<BR>4.現地茶園での年間の殺虫剤使用回数は,5〜19回と幅があった。各ほ場単位での防除回数の年次変動は少なく,使用薬剤も毎年同様な場合が多かった。チャノキイロアザミウマに登録のある薬剤の使用回数が,年間の殺虫剤使用回数全体に占める割合は,ほとんどの農家で50%以上であった。