シャトル・レーダー・トポグラフィー・ミッション (SRTM) アフリカデータ : 北ケニア半乾燥地域の諸研究への応用
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概要
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現在, シャトル・レーダー・トポグラフィー・ミッション (SRTM) による全地球規模の最新地形データの公開が進められている。本研究の目的は, SRTMとその成果を簡単に紹介し, 北ケニア半乾燥地域の諸研究への応用例を提言することである。SRTMは米国航空宇宙局 (NASA) と国防総省の傘下にある国家地理空間情報局 (NGA) との共同で行われた。プロジェクトは北緯60度と南緯56度の間にある全陸地の高分解能でつなぎ目のないデジタル標高モデル (DEM) を作成することであった。米国以外の全世界で経緯度方向に3秒 (90m相当) 間隔のDEMが公開される。成果地形データの水平および高さ方向の予定誤差はそれぞれ20mと15mとなっている。2004年10月現在までに, アフリカでは大陸全体の予備データの公開が終わっており, 最終プロダクトも間もなく公開される予定である。正確で信頼性の高い最新の地形データは, 政策上, 迅速かつ適切な意思決定のためには必要不可欠である。ケニア北部に広がる半乾燥地域においては, このようなデータは現在まで入手困難であった。SRTM予備データから得られる情報をもとに評価を行った結果, この地域において基盤地図データの整備, 地理情報の視覚化, 自然環境のモデリング, 遊牧民研究といった領域でのSRTMデータの応用が提言できた。
- 日本アフリカ学会の論文