ミシオンのリン酸化と分子形態
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概要
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平滑筋収縮のCa<SUP>2+</SUP>調節がどのような機構で起こるかが,それを担うタンパク質(すなわち,ミオシン)を研究することにより次第に明らかになってきた.収縮にはミオシン軽鎖のリン酸化が,弛緩にはその脱リン酸化がそれぞれ必要であった.Ca<SUP>2+</SUP>の働きはミオシン軽鎖キナーゼを活性化し,軽鎖をリン酸化することであった.平滑筋ミオシンで作った太いフィラメントはATPを加えると容易に解離し,10Sの沈降係数を持つミオシン単量体になった.10Sミオシンは0.3M以上のKCl溶媒中のミオシン単量体とはまったく異なった分子形態と酵素活性を持っていた.ミオシン軽鎖のリン酸化はATPによるこれらの変化を強く阻害した.この総説では,ニワトリ砂のう筋ミオシンに関する著者らの研究成果を中心に紹介し,それにもとづく平滑筋収縮の調節機構について解説してみたい.
- 日本生物物理学会の論文