直腸切断術後の会陰創皮下に扁平上皮癌を合併したクローン病の1例
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概要
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癌合併のクローン病は自覚症状出現時には進行癌となっている場合が多く,早期診断は困難で,予後不良である1)2).今回我々は,クローン病の直腸病変のため,直腸切断術後に会陰創皮下腫瘤を形成し,生検で扁平上皮癌を認め,切除を行った一例を経験したので報告する.症例は40歳女性,17歳時に小腸大腸型クローン病と診断された.24歳時に多発痔瘻,直腸腟瘻を認め,S状結腸人工肛門造設術を施行した.31歳時に小腸病変も来し,直腸腟瘻閉鎖,坐骨直腸窩痔瘻根治術,結腸亜全摘術,回腸部分切除術,回腸人工肛門造設術,S状結腸粘液瘻造設術を施行した.39歳時に直腸肛門病変に対して直腸切断術を施行,切除標本で悪性所見を認めなかった.術後6カ月で会陰創皮下に腫瘤を認めた.生検で,高分化型扁平上皮癌と診断され,腫瘤摘出術を施行した.病理組織標本では遺残した痔瘻瘻管より扁平上皮癌が発生したと推定した.術後放射線治療を追加し,1年現在無再発生存中である.
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