サウジアラビアにおける農業政策の転換
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概要
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1980年代に一時は年200万トンの小麦輸出を実現していたサウジアラビアは、小麦生産に伴う財政的負担と水資源枯渇への恐れから2008年、8年をかけて段階的に小麦生産を中止するとの決定を行った。代わって採用されつつあるのが国外での農地取得策だが、生産地が自国か他国かという違いこそあれ、いずれの政策も市場を軽視する食料自給策の枠内にあることには変わりがない。ここはより総合的な食料安全保障の観点から、国際的な食料流通•融通制度の確立•効率化や食料備蓄といった政策的選択肢を取り入れていくべきであろう。